患者視点医療と医薬マーケティング
お飾り言葉でない患者視点を追及していきます
Categories: 患者さん | 1 Comment

がんと向き合ってきた先輩患者さんが、がん患者さんの相談に応える、ピアカウンセリングが
各地でおこなわれていますが、ご存知でしょうか?
東京都内では、2箇所の院内(都立駒込病院と武蔵野赤十字病院)に、それぞれ週2日窓口を設け、
NPOがん患者団体支援機構より派遣されたがん経験者のカウンセラーが、病気と向き合う上での
心配や不安を聞いたりアドバイスをするなど、院側の「がん相談支援センター」と連携した形で、
がん体験者が自らの体験を生かした無料相談(1回30分が目安)を行っています。
都内は2008年度で369件の相談(男女比1:2)対応実績とのことですが、他地域においても
茨城県内日立病院など2カ所の病院内で、2012年度からは滋賀県内7地域に計14人の
独自カウンセラーの配置、千葉県内13カ所の拠点病院などにも設置予定のようです。
先輩患者をカウンセラーとする場合、
・カウンセラーリクルート・・資質ある協力的な人の囲い込み
・カウンセリング技術・・体験起点の属人的カウンセリング技術の体系化
・継続性・・カウンセラーへのインセンティブ、カウンセラーの健康維持予防(院内感染など)
などメンテナンス面でのコストを維持するために、自治体や厚労省などとの助成協働としての
着手があるのでしょうが、設置側の病院にとっても喜ばしい長期継続できるモデルになっているのか、
恒久性はあまり追求されていないのか、やがてはカウンセル料を徴収するたてつけなのか、どうなのでしょう。
茨城県の場合、NPO法人のつくばピンクリボンの会が2箇所に計週2日カウンセラーを派遣するのに
年間70万円の予算でやりくりされているということですから、まさにボランタリーといった感じでしょうか。
こういった取り組みにおいてはまず、体験者の語りの価値化(説明)が必要ですね。
日経には、カウンセリングの技術を持つ様々ながんの経験者を集めるのは「人口が多い都内でさえ難しい」
(東京都福祉保健局)という記事文が掲載されていた(09/07/26)のですが、私自身定性調査の
協力者リクルートをする場合、東京での協力者出現率は特に低いように思います。
疾患のドキュメンタリー番組に登場される患者さん、家族の方も地方在住者が多いのでは?
このことにはまた改めて触れたいと思います。